偏執

作家の想いと共感する人々が調和する作品に贈られる賞

偏執

池優衣奈

「購入する」というテーマから、この絵は私のためではなく、誰かに向けて描く作品にしたいと考えました。絵を通して私自身と、私の考え方を知ってもらいたいと思い、自画像というテーマを選びました。

色の集合体で私の顔が形成されていて、それぞれが形をもっているのに、そのほとんどが私の形の1部として囚われている様子を描くことで、変化を望んでいるのに自由を恐れてしまう臆病な気持ちを表現しました。

完全な自由よりも制約のある自由の方が幸せなのではないか、と考えて変化を恐れて1歩踏み出せなかったことがある人に届けたい。安定を選ぶことは決して悪いことではないから、罪悪感を感じすぎないでほしいと思う。

部屋や寝室など、買ってくれた人が1人になる場所に飾ってもらいたい。1人で考えすぎてしまう時間に、この悩みを抱えているのは自分だけではないのだと感じてもらい、心を軽くすることができたらいいなと思う。